車両保険は人身傷害保険と並んで、自身を守るための重要な保険です。
様々なシチュエーションにおいて発生する損害を広くカバーする車両保険は、車をよく使う方ならば車の値段にかかわらず入っておきたい基本的な保険と言えます。
そんな車両保険の特徴と補償範囲についてまとめてみましたので、ご覧ください。
車両保険は補償範囲がとても広い!
車両保険でカバーされるトラブルはどのようなものだと思いますか?
交通事故に遭ったときに自分の車の修理費に充てるだけの保険と思っている方も少なくないようです。
しかし実際には、車両保険は補償範囲が非常に広く、様々なトラブルに備えることができるものなのです。
以下、一般的な車両保険(一般車両・一般条件・フルカバー・オールリスクなどと呼ばれるもの)の補償範囲について説明します。
交通事故(車以外との事故・単独事故含む)
まず交通事故による車両の損害です。車対車での事故はもちろん、自転車など車以外との事故や単独事故による損害も対象になります。
車両以外との事故や単独事故による損害は、お互いの損害を補償しあう趣旨である対人対物などの保険が一切使えません。
そのため、車両保険を付けていないと全額自費での修理を強いられます。
交通事故は車対車以外の事故も全くまれではありませんので、車両保険で保険の穴を埋めておくことは重要です。
いたずら・落書き・盗難
車両保険の補償範囲は車に乗っているときに留まりません。
いたずらで車に傷を付けられたり、落書きされたりといったトラブルは日常的に起こりうることですが、これも車両保険の補償範囲内です。
車へのいたずら等は被害が物にとどまる限り、犯人を捜し出して直接損害賠償を請求するのは難しいと言わざるを得ません。
そこで現実的な備えとして、車両保険を付けておくのが最適解と言えるでしょう。
また、盗難による損害も補償対象となります。
落下物・飛来物による被害
意外と盲点になりがちなのがこの飛来物等による被害です。
前の車から落ちてきたものや看板などの落下による被害が典型ですが、最近では異常気象による雹(ひょう)の被害も増えています。
巨大な雹によって屋外に止めてある車がボコボコにへこんでしまった様子をニュースで見聞きした方も多いのではないでしょうか。
こうなるとルーフパネルやボンネットなどの総取り替えになることが多く、雹の大きさによってはフロントガラスも割れてしまうため、修理費用はかなりの高額に。
この雹による被害ですが、自動車保険では分類上飛来物による被害にあたり、車両保険によって補償されます。
車両保険に入っていないと車の買い換えを覚悟しなければならない雹被害も、入っていれば安心です。
火災・台風・洪水等の自然災害
車両保険はなんと、一部を除く自然災害による被害も補償対象としています。
保険商品全般について、特約がない限り自然災害は支払事由に当たらない傾向がありますが、そんな中で車両保険の自然災害への補償はかなり充実しています。
火災や爆発、台風・竜巻・洪水・高潮による浸水など、基本的には地震・噴火・津波以外の自然災害を丸々カバーしてくれます。
逆に、火災保険は基本的に自動車を対象としていません。火災保険における家財にあたらないため、火災保険で家が被害に遭っても、停めてある自動車の被害は補償してくれないのです。
自動車に対する補償はあくまで自動車保険が管轄ですので、勘違いしていざという時に保険金が下りなかったなどということにならないように気をつけてください。
補償範囲を選べることも多い
以上のように、車両保険はその対象範囲の広さが特徴です。
自動車本体に関する損害はこれ1つ付けておけばOKという安心感が最大の魅力なのですが、一方で対象範囲を絞ってでも保険料を安くしたいという需要もあるでしょう。
また、車両保険の対象は多岐にわたるので、その一部分は付けたいけど一部分は不要といった、範囲を選んで保険を付けたいという需要も多いです。
そこで、多くの自動車保険では補償対象を選べるようになっています。
上で説明した全部入りの「一般車両・フルカバー」のほか、車対車の事故以外の一部対象(主に単独事故など)を省いた「車対車+A・エコノミー」、車対車の交通事故のみに絞った「車対車」が用意されていることが多いです。
また、車体車+Aの中でも省く対象を選ぶことができるなど、より細かいカスタマイズができる自動車保険もネット通販型を中心に増えてきています。
もちろん対象を省けば省くほど保険料は安くなりますが、万が一の備えを損なわないという前提を忘れず、自分にとって最適な保険内容を選ぶといいでしょう。
高額な自動車の修理費に備えよう
車両保険は高い車に乗っていなければ必要ないという考えが根強いですが、自動車が日常生活上の重要な移動手段であるという場合、もし車が大きな損害を被ったらすぐに直さなければなりません。
そうすると高額出費は避けられませんし、すぐに修理費を用意できないと生活にも支障を来してしまうでしょう。
また最近は突然のゲリラ豪雨での冠水被害なども突発的に発生していますので古い車や安い車だからと言っても急に足が無くなると困る人も多いかと思います。
車両保険は決して贅沢な保険ではありません。生活における自動車の収容度を鑑みて、必要に応じた車両保険について検討してみましょう。