この記事は代理店トラストが作成しています。

ネット型自動車保険とビッグ―モーター

ビッグモーター問題は保険業界ではビッグモーターショックと呼ばれて昨年秋にはかなり問題視された問題ですが、ここにきて様々な不正行為、もはや犯罪に近いものまで出てきています。
保険金水増し請求問題では大手損保3社がクローズアップされていますが、ネット型自動車保険の分野はどうか気になるのではないでしょうか?
ビッグモーターとネット型保険会社の関りを考察してみたいと思います。

ビッグモーターではネット型保険の取扱いは無し

ビッグモーターと代理店契約を結んでいたのは報道によれば損保ジャパン、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、AIG損害保険、共栄火災海上保険、日新火災海上保険の7社です。
いずれも代理店型と呼ばれるタイプの保険会社です。
ネット型保険の保険会社とビッグモーターは代理店契約を結んでおりません。
それもそのはずで、ネット型自動車保険にも代理店方式は存在しているものの、代理店型の損保社と比べると手数料水準が1/4~1/2と低いものになっています。
利益優先で考える会社だと当然ながらネット型保険は取り扱う意味がなかったのでしょう。ネット型保険では自賠責保険を扱っていないので自賠責をエサ(?)に入庫を強要する手法も使えませんし。

ダイレクト系とビッグモーターとの関りは?

代理店契約は無いもののネット型保険とビッグモーターが関係が無いかというとそうでもありません。
事故が有ればどうしても修理は必要になってきます。
各保険会社には提携修理工場があります。その提携先として一部のビッグモーター店舗が混じっておりました。
お客さんの要望がないと入庫誘導は積極的には行いませんが、確率が低いとは言えビッグモーターで修理したという人はいるはずです。

1.事故相手がビッグモーターを修理先に指定

当然ながらどこで修理するかは事故相手が決めます。
異様に高い見積もりであればアジャスターを派遣して確認したり、支払拒否まですることはあり得るのですが一定水準の修理費に収まっており不審な点が無ければ保険会社は支払いをします。
しかしながら、予め修理箇所を拡げられていれば確認は難しく、水増しの余地が無いかというと十分あり得ると考えられます。

2.顧客の希望により修理先として紹介

大変残念ではありますが、提携修理工場としてビッグモーターが入っているケースがあります。
大手社等と異なり代理店契約があるわけではないので入庫誘導してもネット型保険の保険会社には何ら利益はありません。
あくまで顧客サービスの一環として修理先を紹介していたわけですが、提携先の一部にビッグモーターが混じっていたというものになります。
仮に過去の修理で不審な点があると思った方は各保険会社のカスタマーセンター(お客様相談センター)へ相談ください。

ソニー損保の場合

・ビッグモーター6店舗と提携
・2022年8月提携終了
・ビッグモーターへ状況照会中

セゾン自動車火災の場合

・ビッグモーターとの提携あり
・2022年4月提携終了
・適切な修理か調査中(不正があれば返還請求)

SBI損保の場合

・ビッグモーターとの提携あり
・2022年10月提携終了
・不正は発見されていない

アクサ損保の場合

・ビッグモーター10店舗と提携
・2022年8月提携終了
・適切な修理か調査中(不正があれば返還請求)

三井ダイレクトの場合

・ビッグモーターとの提携あり
・2022年6月提携終了
・適切な修理か調査中(不正があれば返還請求)

イーデザイン損保の場合

・ビッグモーターとの提携あり
・2022年6月提携終了
・適切な修理か調査中(不正があれば返還請求)
・ビッグモーター問題専用窓口設置

チューリッヒの場合

2023.8.8現在 ビッグモーターへの対応は掲載されていません。
DRPネットワークという修理工場の全国ネットワークを主に提携先にしているように見えるのでそもそも前述の他社と異なり提携先にビッグモーターが無いかもしれません。

今後の対応

各社不審な修理が見つかれば契約者側に連絡してくると思われますが、自分自身気になる場合は各保険会社のカスタマーセンター(お客様相談センター)へ連絡して相談してみてください。

保険会社とビッグモーターがグルで修理費水増しをやってる的な論調も目にしますが、少なくともネット型自動車保険ではグル要素も見当たらず、立ち位置的にやはり被害者だと言えるのではないかと思います。
損害調査で見抜けなかったという落ち度はゼロでは無いのかもしれませんが。

全容解明にはかなり時間がかかると思われますが、主要損保社のモーターチャンネルへの悪癖を正すには良い機会かもしれません。

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